変更した就業規則の効力は、労基署に届け出なければ発生しないか?



家族手当や結婚・出産祝い金を減額して、他の手当を増額する制度改定を行いました。
就業規則を変更して過半数代表者の意見も聞いて、従業員にも周知した。
しかし、うっかりして労働基準監督署への届け出を忘れていたことに気づきました。
それを知った一部の社員が、旧就業規則に基づく手当や祝い金を請求してきたのですが、拒否しても問題ないでしょうか。



競業規則の効力は、
  1. 行政官庁へ届け出る義務(労基法89条)
  2. 過半数労組や過半数代表者からの意見聴取義務(同法90条)
  3. 周知義務((同法106条)
が基本です。
しかし、必ずしも上記の全てが整っていない効力生じないとは限りません。

ご質問の問題点は、不利益に変更した新就業規則を周知はしたが、労基署への届け出を失念していた場合に、新就業規則は効力があるのか?です。
上記のように、実質的に周知してあれば、届け出がなくとも効力が生じることが多いです。
その際、新就業規則を適用するかどうかは、不利益変更の内容が合理性的であるか否かによって判断されます。

内容が合理的であれば、新就業規則を適用できます。
旧就業規則による家族手当や結婚・出産祝い金の請求は拒否できることになります。