個人情報漏洩を起こした社員を懲戒解雇できますか?


個人情報を含む顧客リストが社外に流出しました。。
漏洩した社員を懲戒解雇処分にすることはできますか?
就業規則には個人情報の保護規定や個人情報の取り扱いに関する誓約書も締結しています。


この場合、情報漏洩を起こした社員に対する処分を検討しなければなりません。
ただし、その処分内容は慎重に検討する必要があります。

懲戒解雇が妥当する裁判例は次のポイントが重要です。
  1. 背信的意図に基づいている
  2. 競業他社に流出させる目的
これは情報の機密性と目的の背信性を重く見ています。

これに対し懲戒解雇の無効例として、上司の許可を得ず顧客リストを外部業者に提供したが、会社に実害が生じた形跡が認められないケースもあります。
このように、懲戒解雇処分にするには、
  1. 故意による行為か
  2. 背信的な目的があったか
  3. 情報の機密性はどの程度か
  4. 会社に実害が生じたか
といったポイントをもとに調査、検討する必要があります。

行為の背信性が認められない場合や過失による漏洩の場合(飲酒して紛失など)、懲戒処分や人事処分(降職、減給、配転など)を行うことは可能ですが、懲戒解雇については慎重に考えるべきでしょう。