部下の不祥事で上司を懲戒処分することは可能?
先日、シャッターの開閉部品に繰り返し負担をかけたことで故障しました。
その上司は本社に報告することもなく修理し、修繕代金を経費として支払っていました。
当事者はおそらく故意ではないと思います。
本人の責任は当然ですが、上司の指導不足もあると考えています。
部下の不祥事で上司を懲戒処分することは可能でしょう。
懲戒処分を行う場合、あらかじめ就業規則に懲戒対象となる事由と種類を規定しておく必要があります。
部下の不祥事でその上司を懲戒処分する場合も、上司の行為が就業規則のどの懲戒事由に該当するのかを慎重に検討する必要があります。
部下の不祥事は上司の責任として、連帯責任として懲戒処分することは避けるべきでしょう。
国際油化事件(福岡地裁昭62.12.15判決)において、上司への懲戒処分は、「重大な過失によって会社に損害を与えたとき」や、「当然なすべき注意を怠り、又は職務に怠慢を認めたとき」と例示しています。
これは、不祥事を起こした部下の責任とその管理監督責任は別問題と解釈できます。
今回の事案が上記に該当するか慎重な判断が必要です。
また、今後のために上司の管理監督責任をより明確化した事由を就業規則上に設けておくべきでしょう。