新入社員の健康診断について


4月から新入社員が入社します。
雇入れ時に健康診断に受診させなければならないのでしょうか。

また、他の従業員の定期健康診断に含めて健康診断を実施することで、雇入れ時の健康診断を省略することは可能ですか。


雇入れ時健康診断とは、企業が雇用する従業員を採用するときに法令等で義務付けられている健康診断の一つです。
親入社員の健康状態把握と適切な労働環境提供を目的とし、入社前または入社直後に受診します。
 

受診内容

労働安全衛生規則第43条で全11項目の実施が事業主に義務づけられており、実施を省略することはできません。
ただ、新入社員が雇入れ前3ヶ月以内に受けた健康診断の結果を提出する場合は、雇入れ時の健康診断に相当する項目については省略することができます。

①既往歴及び業務歴の調査
②自覚症状、他覚症状の有無の検査
③身長
④体重
⑤腹囲
⑥視力及び聴力の検査(1000Hz、4000Hz)
⑦胸部エックス線検査
⑧血圧の測定
⑨貧血検査(赤血球数・ヘモグロビン)
⑩肝機能検査(GOT,GPT,γ-GTP)
⑪血中脂質検査(トリグリセライド・HDL-コレステロールLDL-コレステロール)
⑫血糖検査
⑬尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
⑭心電図検査
 

受診の時期

具体的な期限までは明確にされていません。
入社前でも入社後でも問題ありません。
ただ、入社後の健康管理が目的ですので、雇入れの前後3ヶ月以内の実施が望ましいと考えられます。
そのため、他の従業員の定期健康診断の実施時期が雇入れの直前又は直後であったとしても、定期健康診断の項目が省略されている場合は雇入れ時の健康診断を実施したことにはなりません。
なお、労働安全衛生規則第44条第3項により雇入れ時の健康診断を実施した場合、実施後1年間は定期健康診断を省略することができます。
 

費用

雇入れ時健康診断の費用は、企業か従業員、どちらが負担するべきか明確な決まりはありません。
しかし、雇入れ時健康診断が法令により企業側の義務とされているため、雇い入れる企業が負担するのが一般的です。