体調不良の社員に診断書を求める

腰痛の社員が具合が悪く、月の出勤率が７割程になっています。
真面目で仮病ではないと思われますが、病院には行っていないようです。
本人からもそのように申告がありました。
仕事柄腰に負担がかかるため、できるだけ過重労働にならない配慮もしています。
会社が腰痛という事態を把握しているにもかかわらず、本人から業務が原因と言われた場合が心配です。

安全配慮義務を怠ったなどと言われないためにも、「診断書」を提出してもらうのが良いのでしょうか。


まず、貴社の就業規則においてどのようなケースで診断書を求める運用であるかが重要です。
今回のケースが就業規則に当てはまらない場合は強制できません。
それでも診断書を求める場合は本人に丁寧な説明のうえ、診断書費用は会社負担で提出してもらうのが妥当です。

ご心配の安全配慮義務です。
安全配慮義務は、従業員の危険をあらかじめ予測し対策を行うものです。
たとえば、事故・災害、過重労働、ハラスメントなどです。
したがって、必ずしても安全配慮義務違反とはなりません。

また、安全配慮義務が定められている労働契約法では、義務を怠ったことによる罰則の定めはとくにありません。
安全配慮義務を怠ったことにより何らかの問題が発生した場合など、状況によっては民事上の責任（債務不履行、不法行為責任、使用者責任など）として多額の損害賠償を請求される可能性があるものです。