労働基準監督署(以下「役所」)の未払い残業調査
労働基準監督署(以下「役所」)の未払い残業調査
2018/6/4
ジャンル 労務
事件の概要、ご相談内容
ある工場での社員、パートの残業代が支払われていないと調査が入る。
過去2年にさかのぼって支払うように労働基準監督署より命令される。その総額は約800万円。
経営者の主張
実際は、月額給与に30時間分の残業代が含まれていることを、採用時に従業員に説明して了承を得ていた。しかし、雇用契約書を作成していないことから、労働基準監督署にはその主張は通らなかった。
従業員の主張
採用に、口頭で説明された記憶はあるものの、雇用契約書など書面がなかったので、その記憶が曖昧であった。
解決へのプロセス
30時間分の残業代が含まれていることを、採用時に説明している事実を従業員にヒアリングしたところ、多くの従業員が説明されたことを思い出す。そこで、労働基準法は実態主義であること、直ちに雇用契約書を作成して、全従業員に再度、説明を実施、雇用契約書を締結した。そして、この事実を労働基準監督署に是正報告書として提出し、労働基準監督署にも是正完了と認めてもらうことができた。
解決のポイント
労働基準法は実態主義であることから、当初より説明していたこと、また、多くの従業員がその認識どおりであったことを、丁寧に確認したことがポイントとなる。「営業手当は残業代として払っていた」など多くの経営者様は、「そのつもり」と主張しますが、その趣旨を従業員へ明確にしておく必要があります。
依頼者の声
労働基準法に詳しい担当者がいないとことと、これまで口約束だけでしていたことが問題になるとわかりました。今回、先生にご指導いただいて雇用契約書を結ぶことができ、残業代も大幅に削減できて助かりました。労働基準監督署どおりで進めていれば、会社が潰れるところでした。
事業者規模情報
建設業、従業員数190名。