「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の素案が提示されました。
厚生労働省は、平成27年7月に制定された「過労死等の防止のための対策に関する大綱(過労死等防止対策大綱)」について、制定以来3年ぶりの改定に向けてその見直しを進めていますが、この度、その素案が提示されました。
「勤務間インターバル制度」の数値目標が明記されたことが話題になっていますが、その概要をみておきましょう。
――――――――― 新たな過労死等防止対策大綱の案のポイント ―――――――
<改定案の全体像/追加事項>
- 年次有給休暇の状況を追加
- 職場におけるハラスメントの発生状況を追加
- 啓発すべき事項として、次の事項を追加
・若年労働者、高年齢労働者、障害者である労働者への取組の推進
- その他
・過労死等防止対策の数値目標をまとめた項を設ける(新たに、勤務間インターバル制度に関する数値目標も設定)
<勤務間インターバル制度に関する数値目標>
- 改定案に盛り込まれた「勤務間インターバル制度に関する数値目標」は次のとおり。
- 勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合を20%未満とする。
- 勤務間インターバル制度(終業時刻から次の始業時刻までの間に一定時間以上の休息時間を設けることについて就業規則又は労使協定等で定めているものに限る。)を導入している企業割合を10%以上とする。
注目されている「勤務間インターバル制度」について、これを知らなかったということはないと思いますが、確認までに、簡単に説明をさせていただきます。これは、勤務終了後、一定時間以上の休息を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保しようとするものです。EU諸国では、終業時刻と翌日の始業時刻との間に、一定の時間以上の休息を与えなければならないという「規制」が設けられています。
日本では、「規制」に向けた土台作りをしているといったところです。
普及を進めるにあたり、中小企業向けの助成金「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」も用意されています。なお、この助成金の対象となる勤務間インターバル制度は、「休息時間数が“9時間以上11時間未満”又は“11時間以上”の制度」とされています。
助成金の内容も含め、詳しく知りたいときは、気軽にお声かけください。