厚生労働省は中小企業・小規模事業者の賃金引上げを図るため、生産性向上の取組をまとめた2冊の事例集を作成し公表。


そのうちの1冊は、飲食業、宿泊業など「生活衛生関係営業」の企業に特化した、
初めての事例集だということです。生産性向上のヒントが見つかるかもしれません。

事例集の概要は次のとおりです。

 
――――――― 中小企業等における生産性向上の取組をまとめた事例集 ――――――


<事例集①>

『生活衛生関係営業 生産性・収益力向上の取組事例集~賃金引上げのヒント~』

⇒この事例集では、中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受け、
現在、収益力の向上に取り組んでいる企業が実施した業務効率化などの事例を紹介。

生活衛生業のうち、特に、飲食業、宿泊業、洗濯業、理美容業の事例を掲載。

事例の例)飲食業

・スマートフォンで確認できる動画マニュアルを導入。

・これによって、作業工程が標準化し、新規アルバイトの育成が5日程度に短縮。

・作業工程の標準化や経営分析ソフトの導入によって、営業利益が1%程度増加。

<事例集②>

『生産性向上の事例集~最低賃金の引上げに向けて~』

⇒この事例集では、業務改善助成金*の活用事例をもとに、
業務の効率化や働き方の見直しなどを行って生産性の向上を実現し、
賃金の引き上げを行った中小企業・小規模事業者の事例を掲載。

*業務改善助成金……中小企業等の生産性向上を支援し、
   事業場内で最も低い賃金の引上げを図るための助成金。

生産性向上のための設備投資やサービスの利用などを行い、
事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などに
かかった費用の一部を助成。


事例の例)行政書士・社会保険労務士業

・顧客データ管理をクラウド化し、給与計算システムを導入。

・これにより、管理業務の効率化を達成。

・1人の従業員の時間給(事業場内最低賃金)を50円引上げ。
事業場内最低賃金以外の従業員の時間給も一律50円引上げ。
→業務改善助成金を受給。

☆事例が紹介されている業種は限られていますが、業種を問わず、
生産性向上のヒントは見つかると思います。ちなみに、上記でも取り上げましたが、
私どもの業種の事例も掲載されていました。なお、業務改善助成金については、
事業場内最低賃金が1,000円未満の中小企業・小規模事業者を支給対象とするものですが、
業種の要件はありません。


助成金の内容も含め、詳しく知りたいときは、気軽にお声かけください。